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【ネタバレ】オーフェン手下編感想・マジクさんうおー

2015/09/21 - かんそうぶん
魔術士オーフェンはぐれ旅 手下編
秋田禎信
TOブックス (2015-09-25)
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もはや何を言えばいいのか分からない感じに頭が茹だっているので、とりあえず叫びました。
以下ネタバレ。素晴らしすぎてしんだ…ありがとうございます…。

マジク厨です。新シリーズ始まってからいつもマジクマジク言ってました。
ずっと分かりそうで分からなかったのが、わたしがこうまでマジクさん大好き人間になった、決定的な理由でした。
大好きなんだけど、なにが好きか、どこが好きかという、決定的な「軸」がいまいち掴み切れてなかったのです。「かっこいい」以外のことが、よくわからんかったのです。
わたしはわりと「軸」を意識して自覚的にキャラを好きになることが多いので、なかなか今回はモヤモヤしながら「よくわかんねーけど好きだーーー!!!!」を続けてきたわけなんですけど。
ようやく分かったんだ。分かったんだよ!

あ い つ ナ ル シ ス ト な ん だ よ 。

それも前向きじゃないやつ。明るくないやつ。
自虐型ナルシスト。自分が嫌いすぎて自分のことばっかり考えてる駄目野郎。
これわたしがだめなやつです。
わたしが、すっげーーーーーーーー好きになるか、すっげーーーーーーーー嫌いになるかどっちかのタイプで、無関心ではいられないやつです。これかー! これだー! 分かったー!! 極上のこれだー!!
自分のことしか考えてないのを「病的」と自認して、己をくそったれと思いながら、死を恐れることはなく自ら死地に赴き、それでいて生還率が全人類で一番高いという矛盾の塊。周りにドン引きされるほど仕事できる、人類最強駄目人間。アンニュイ中年。美形。モサい。

だめだろこれ!!!!

好きになっちゃうだろ!!!! だめだろ!!!!!!!

さらに言えばそういう男が破天荒or健気な女子と絡んでいい方向に進んで行くコンビなりカップリングがわたしの中でとっても強いんだよ! 弱点なんだよ!! クリティカル出ちゃうんだよ!!!


…………


というわけで、主に属性の面において、わたしが大人マジクに落ちた決定的なコアを最終巻にしてようやく見つけたという、記念すべき巻になりました。
それを冒頭で提示されて、最初からしにました。
だめだろー。ずるいだろー。

ほんとうに…「遺されたもの」がずるい。
最初から最後までマジク視点で、知りたかった新設定が惜しみなく公開されて、展開もオチもすべてわたし好みで。
今まででぶっちぎりのダントツで一番、萌えーの意味で興奮して頭おかしくなった話でした。
「魔王の娘の師匠」「魔術戦士の師弟」と合わせて、マジラツ三部作と呼ぶのを提案したいところです。
お察しかもしれませんが、今回ばかりは感想のノリがおかしいです。いつものことだよって思われた方ももしかしたらいるかもしれませんが、たぶんいつも以上にひどいです。
いつもはあれでも私としてはちゃんと書いてるつもりなんですけど。
今回は二次創作野郎らしく、二次創作っぽい感じの書き方になってしまう気がしてならない。

もう、ね。
好き嫌いで物事を判断するマジクさん。
テンションが低い皮肉ばかりのマジクさん。
目的や動機がなく値踏みばっかりしちゃうマジクさん。
強すぎて常識のネジが外れちゃってるマジクさん。
単独行動しかできないマジクさん。
一言多いマジクさん。
若干ぼやーってしてて誰が相手でもよくわかんないこと言っちゃうマジクさん。
結局自分のことしか考えてないマジクさん。
それでも何かしら選択しながら生きてるマジクさん。
そしてそして、弟子や犬と一緒にいる時は生き生きしちゃうマジクさん……
だめです。今までわたしがときめいていたマジク要素が大盛り特盛てんこもりでドンドコドンドコ投下され、かつ理想的サワヤカーな終わり方に昇華されて、ちょっと意味わかんないです。

そうなんだよ。あいつ口先だけの駄目野郎なんだよ…。人類最強の駄目野郎なんだよ…。
それだよ。言ってたし知ってたよ。よく気づいてくれたよ。よかったよ。
挿絵のシーンがきれいすぎて泣いた。
構図が表紙のオーフェンと重なっててまた泣いた。
そして最後の最後の最後の、クレイリーに向けて笑うシーンで、わたしの頭の中で、ちょっとオーフェンみたいに実に悪辣な、いい感じに邪悪な笑顔のマジクさんが浮かんで。
もうだめだった。
さようなら。いい人生だった。ありがとう。
だめ。生きる。生きてやる。

すっげーわたくしごとをひそやかに恥ずかしながらそっと囁きますが、どうじんし(コレ)の漫画のタイトルを「サクセサー」にして、最後のセリフをあれにしたことはなかなか自分に「よかったな…」と言ってやりたい心境だったりします。大方の人には通じない話ですみませんが。
クレイリー、サルア、カーロッタ、サファイアのあたりの情報はまったくの新規で、それをふんだんに使って原作でこんな展開見れて…なんだこれ…神か……ってなった。もうだめだ。ほんとうにだめだ。
公式はわたしのささやかな夢など容易く超えた。あふれんばかりの夢がいっぱいだった。無限大だ。この世界はとてもおおきくてうつくしかった。
ありがとうございます…ありがとうございます…

新シリーズに入ってから「マジクがやばい」という感想をけっこう見かけた気がするのですが(特定のどの記事とかではなく、印象の話です)
わたしは個人的に、そんなにマジクのこと、萌えこそすれど心配はしていなかったんです。
「鋏の託宣」の冒頭は衝撃でしたが、だからといってマジクが「死にたがっている」ようには見えなかった。いや、口で実際にそう言ってるんだから嘘ではなく死にたい気持ちはあるのだろうというのも分かっていたけれど、彼の破滅願望が具体的な形で現れるとは思えなかった。
それについては、死ぬことは彼にとって一番楽な道「っぽい」からかなと思っていました。机上の正解というか。一番「それっぽく見える」誘惑だけあって、なんのカタルシスも生まれ得ないというか。
マジクの枯れっぷりは、本気の死んだふりなんだと解釈していました。
本人は本気でしょうが。オーフェンも言ってたように「酔いしれた性根」なのかなと。意志ではないというか。
もちろんシビアな世界観だから、周囲から見れば鬼気迫るものだったでしょうし、本人にとっても辛いものだったろうから、まぎれもなく切ないし、萌えなのですけど。
怒りが燃えるままに生き切ったイザベラ先生や、最初から終わりを見てたカーロッタとは種類が違う。潔さがないのは性格の問題以前に、根本的な向きが違うのかなと。
フィンランディ家の人はちゃんと知ってたから、ずっとそれを伝えていたのかなという妄想がはかどります。
三姉妹は生まれた時から日常レベルでマジクを見ていたから素だったでしょうが。オーフェンとクリーオウは、開拓初期とかマジクのこと心配してないわけがなかろうし。だからこそ意識的に家庭に抱き込んだり、縁談を持って来たりしてたのかなという妄想が止まらない。
クリーオウは姉だし。
オーフェンは目線が近い超人予備軍どうし、唯一マジクの実力をまっとうに評価&信頼し続けていたというのもあるから、仕事と日常の両面からなんらかの形で(時に裏切って)、マジクの人生に関与しているし。
その一環としてラッツベインをマジクの弟子にしたのかなと想像すると(根拠ありません)、わたしは幸せになります。やったね。
まあそのへんは妄想ですけど。とにかく、自分がそんなに死にたがってないってことを、今回本人がああいう形で自覚したのは、本当に、よかったなー…と。
これで前に進めるなって。うう。うう。

だからマジクって子供っぽいんだよなー。四十近いのになー。誰彼かまわず心境や人生論を垂れ流すあたりはおっさん臭くもあるんだけどねー。かわいいねー。
何にせよ、いいですねー。欠落を抱えた最強の魔術士。天才であるがゆえにいつまでも未成熟。そんなのおいしい。
ラッツベインの方が(というか、次世代が全体的にと言うべきか)タフだったりするところが、とってもおいしいです。わーい。わーい。
でも「昔から、甘えたがりの癖があった」に表れている通り、ちゃんとマジクが年上してもいるバランスが神がかっている。また話がずれた。気を抜くとマジラツの話になってしまう。

あとね。子供時代の「憧れ」の話がね。ちらっと書かれていたのがね。とってもよかったなって。
いろんなところで何度も言っている気がしますが、マジクの真髄は子供時代とのコントラストにあると思っています。
強い魔術士(オーフェン)に憧れて、「誰かの役に立つ」という具体的な自分像を求めて、きわめて善意的に純粋にごくまっすぐに真っ当に足掻いた結果、若くして才能が暴走してバケモノになって人殺しコース→戦犯となり逃亡→世界中に失望・やさぐれ・裏世界で暗躍という急転直下。
並べてみると単に「すさまじく不幸」で終わりそうですけど。そうじゃないんだ。そうじゃないってちゃんと書かれてたのが、よかった。
たぶん彼はその、かつての己の無垢さや幼さ、愚かさにこそ後悔と嫌悪があるのだろう、と思ってて。
でも憧れてしまったことは厳然たる事実で。魔術士以外の何者にもなる気はないのも、ぶれてないわけで。魔術士を見下しながら、あくまで最強の魔術士であることに矜持を(自嘲まみれとはいえど)持ってるわけで。嘘より真実を選んだことについては、疲れや失望こそはあれ、撤回する気もないわけだし。
つまるところマジクのブラック感は、ピュアをそのまま裏返しただけ、イコール、ピュアなんですよ。
無駄に断言口調ですが開き直ります。このブログの感想のすべてはオタク女の夢であり根拠などない。物語に必要なのは正解探しじゃないんだ!! 真実は割り切れないから真実なんだ!!
なんの話だっけ。えっと、そうそう。
だから欲しいものをほんの少しだけでも残したかったというのは、すごく彼らしいと思った。
夢の中のその一行にしか、そんなストレートピュアな本音が書かれていなかったのも、よかった。だって彼は理論武装に慣れた大人だから。それでいてなお、奥底の本音がちゃんと言葉になっててよかった。分かるなって思った。お前はそういう奴だ。
失望コーティングでどんだけ塗り重ねられてもマジクは最初からずっとちゃんとマジクで。それは彼が超人に(=便利な奴に)なりきってしまわないよう、足を着けられる確かな場所が二十年間ちゃんとあったんだなあと感じられる根拠でもあり。
わたしはそれが嬉しい。
だっていろいろ小難しいこと言いながら、ちゃんと何に従うかは自分で選んで働いてるし。
なんだろう…。
なんかマジク、頑張ってたんだなあって。ほとんど誰にも分かってもらえてないだろうけど、すっごく頑張ってたんだなあって。あれだけ「ぼく最強」「ひとりでなんでもできる」て言い切れるのは、自虐ネタでもあろうが、それだけのものを積み上げてきたということでもあるのだから。
それが「オーフェンの弟子」ということでもあるのだろうかって思うと。おいしいなお前ら……って悶えるしかないんだ。
彼が何よりも憎んでいるであろう、彼の人生のすべてが愛しいです。
そんなこと言われてもマジクは嬉しかないだろうが。まあ読者とはそういうものさ。
おぬしはラッツに振り回されながら、徒労の裏側で無意識で癒されながら、これからも元気に生きていってください。
この話はいかにマジクが単独行動大好き野郎か、いかに一人でなんでもできるか、いかに一匹狼かをさんざん強調したあげくに、ラッツに語りかけるあのセリフで締まるわけですからね。もうね。ずるいよね。
なんでもできる奴だって、簡単なことが分からなくなるわけです。なってたわけです。
大丈夫。尋ねればいいのだ。簡単な答えがきっと返ってくるのだ。
よかったねー。

というわけでラッツ。
そしてサファイア。アイオライト。
わたしの中ではトリプルヒロイン小説でした。ちょっと嘘です。でも、どこもかしこも美味しくて、秋田先生、ロマンチストめー!! って叫んでました。
まず魔王術の設定を恋愛関係に用いるとおそろしくロマンチックでうわーってなります。あんなの嫌いな女子いません。自分が覚えている限り誰も彼女を思い出すことはできないって! なにそれ!
あとサファイアが予想以上にCOOOOOOLで超絶有能な必殺仕事人すぎて、わたしの中でマジク×サファイアがおおいに盛り上がりました。やだー美形無口一匹狼殺人鬼カップルやだー。秘密のスケールがでかすぎる殺し合いの悲恋とか、そんなのずるいー。美しいー。
これは若干、似た者同士カップルだったのかなー…と思うと。孤高の猫が寄り添ってるみたいでおいしすぎるな…。マジクはとにかく年上の女か年下の女の子に振り回されてる印象しかなかったので(クリーオウとラッツのせい)、違う方向にもえが開拓されました。無限の可能性。
お墓を破壊するシーンほんとに。ロマンチストめ。お前も空の棺を壊さずにはいられなかったか。さすが後継者だぜ。おいしい。そんなのおいしい。
あと、その、マジクが決して記憶できないアイオライト(サファイア)の顔を、ラッツベインに覚えていてもらうというのは……ロマンチストめ……ロマンチストめ……あのシーン美しすぎてほんとに300回くらい音読したい……
「そうか。それ、覚えておいてくれるか?」 が
「そうか。それ、覚えておいてくれるかい?」とか「そうか。それ、覚えておいてくれるかな?」じゃなかったのが、とても、よかったと、思います。ごめん若干本筋に関係ない。だって 色 っ ぽ い 。
ずるいよー。
さっきも言ったけど、それで挿絵の構図がオーフェンとかぶってるのずるいよー。
後継者めー。魔王の弟子めー。どちくしょー。

そんな「遺されたもの」でした…。
マジクに著しく偏った内容でお送りしましたが、内容的にも現代的な話でよかったな…。「悪意よりももっと蔓延している、仕方なさの世界だ。その中で心を殺さずに生きるというのは難しい」とか。
その前後にあった「本当に気持ちを暗くさせるのはね、世の中に悪意があることなんかじゃない。まっとうに善意を持って、人のためになにかしたい、役に立ちたいと言っても、必ずその返事が『いや、あなたにはなにもして欲しくない』ってことさ」「……それって要するに、好きな人に言い寄っても拒否されるっていうのを言ってる?」とか強烈でしたね。
マジクがまさにそれなのは前提だし、すごく普遍的な感情だからグサッと来る。
これは友人の言ですが「エヴァのQを思い出した」と聞いてハッとしました。あれもまた90年代を置き去りにした現代の世界観だからな。いろいろ考えさせられます。
でも結局「現実嫌い……」とコミカルに泣くラッツと「仕方ないよ、現実ってそんなもんだ」と答えるマジクのやり取りとか、やっぱりこのお話は根っこの部分がたくましいね。


スーパイも息が抜けておもしろかった…ラストがフォルティッシでタイトルが「エピローグ」なのがとてもよかった…あとティッシだけはお年を召しても鉄壁の美しさだった(挿絵)…とか。なんかいろいろ言いたい事はもっとあるのですが。
ほんとに、一行一行すべてに対して「ここがね!」「ここがね!」て語れるレベルなのですが。
もうよくわかんなくなってきたので、とりあえずこんな感じかな…笑
ふー。思いついたらまた書くかも。

ドラマCDはまだ聴けていないのですが、楽しみです。
声優さんのコメント眺めてて、あらためて豪華なメンバーだなーって感慨深くなってしまった…。
これで終わりと考えると寂しいような気持ちはありますが、それ以上に、こうもキチンと終わりまで見せてもらえたことに対する感謝とか畏怖(だってすごいことだから…)の方が大きく、心の整理はとっくについている感じです。
ふーーーー。
よい時間でした。
やっぱりオーフェンが大好きです。
そしてマジクさんは無限の可能性です。四十路にして。


順序立てもくそもなく、感情のまま書きなぐりましたが…笑
ここまでお読み下さりありがとうございました。
マジクさんばんざい! ばんざーい!!!
comment (2) edit
何周読むんだよってくらいひたすら読んでる | 手下編フラゲした

comment

: ヴィー
読ましてもらいました。
手下編を読み終わった気持ちの昂りを誰か文字にしていないかと検索するとそれはもう極上の吐露を読ませていただきお腹いっぱいです。ありがとうございます。
空の棺を〜のところはなるほど!と思わせていただきました!

魔王編は買えてなく、現在どこも入手不可となっているのが残念至極です。
2015/09/30 Wed 20:00:53 URL
Re: : サヤカ
楽しんでいただけたようで嬉しいです! 手下編感想なのに「マジクさんかっこいい」しか言っていなくてお恥ずかしい限り(笑)
空っぽの棺に対する述懐は、「約束の地で」でオーフェンもマヨールに語っているんですよねー。マジクでまでやってくれるなんて、そして期待に違わず破壊してくれちゃうなんて、本当に心憎い演出でニヤニヤしてしまいます。

魔王編、そんなに入手困難になってしまったのですね…。今アマゾン見て値段にびっくりしてしまいました。
内容は手下編面白かった方には問題なくおすすめなので、いつか中古本などで欲しい方の手に巡るとよいのですけれど。
2015/10/02 Fri 08:03:24 URL

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